communication-g7396f4352_1280

Linuxを全く触ったことがない状態で鯖建てに挑戦して、3ヶ月が経ちました。

濃密な3ヶ月間だったからか、あっという間に過ぎ去った感すらあるFediverse生活ですが、この間に自鯖をメインに運用してみてよかったこと……だけでなく、ちょっとしんどいな……と思ったこともあるので、その辺を私目線(人を入れない、お一人様運用前提)で書いてみようと思います。

よかったこと 1.自由だ!

なにはなくともこれです。 気楽に好きなタイミングで好きな話題について書けますし、カスタム絵文字も好きに追加し放題。

もちろん、何を言ってもいいわけではないと思いますし、全く何も確認せずに好きにカスタム絵文字を追加するのはリスキーではあるんですが、その辺を差し引いても圧倒的自由度です。

できるだけ長くこの自由を享受したいですね……。

よかったこと 2.ちょっぴり知識がついた

これまでは利用者の立場でしかなく、Linuxやサーバーの知識はゼロだったため、なににつけても「なんもわからん」状態でした。 それゆえ、触れるものはすべて新たな知識だったため……大変ではありつつも、新鮮な学習体験もまたありました。

体系的に学んだわけではないので、大いに虫食い状態ですし、知識量もまだ初心者を名乗れるレベルですらない自覚はありますが……「ゼロではない」状態になれたのはやってよかったなぁと思います。

よかったこと 3.安心感がある

帰るところがある。 居場所がある。

これはとても安心感のある条件だと思います。 自鯖があることで、(まぁ、自鯖が落ちたり吹き飛ぶことはあるとは思いますけど)他がダウンしていても気持ちの上で余裕が持てるのはいいですね。

まぁ、なんというか、どれもこれもふわっとした内容ですが……次項から述べる「しんどいこと」もふわっとしていますし、なんならここまで挙げた内容に相反するものもありますが……正直に書いていきます。

しんどいこと 1.常に不安感がある

安心感があるのに不安!?

……はい、これはもうしょうがないですね。 生来心配性なのもあるとは思うんですけど、なぜ不安かといえば「あまりにも無知すぎる」から。

アップデートはちゃんとできるだろうか。 セキュリティはこれでいいのかな。 なにか障害や問題が発生したらどうしよう……。

これらは、楽しく発言・放言している間にも常につきまとっています。

私はいわば「階段を数段飛ばしで登って、上の方でアワアワしている状態」とでもいいましょうか。 着実に登ったのではないので、バランスが悪いし、勢いの反動でリカバリーもしにくい感じです。

最初こそまずはサーバーを構築することが巨大な壁でしたが、いざ乗り越えてみると更に巨大な壁に幾重にも取り囲まれていた……それを自覚したような状態です。 サーバーは建てて終わりではなく始まり……終わりなき始まり……といったところ。

なんというか、要求される知識の分野が多岐にわたっており、複合的・網羅的にある程度の知識が必要になり……付け焼き刃ではちょっとどうにもならない感じがあります。 どこまでついていけるやら……。

しんどいこと 2.地味にうーん……となる出費

私の場合、Misskeyにかかる出費は月額1700円弱(ドメイン代含まず)。 決して払えないわけではない金額です。

ですが……やっぱりちょっと「うーん……」という金額でもあります。 年額にすると結構な総額になりますからね……。

現状4GBのメモリのサーバーを契約していますが、2GB程度を“ほんのちょっと”はみ出るメモリ消費量なのが実に悩みどころだったりします。 2GBのサーバーと4GBのサーバーだと、月額が倍の関係にあるので、「2GBで収まりそうなのに収まらず、ちょっと過剰に4GBのサーバーを使っている」感じなんですよね。

これを解決するために、もっと軽量なソフトウェアに乗り換えるか、あるいは、再起動を定期的にするようにしてMisskeyを使い続けるか……という方に今は気持ちが傾いています。 どちらにせよ、サーバーは建て直し(データベースをうまいことあれこれすれば引っ越しできそうですが、自信がない……まぁ、どのみち潰すなら試してもよさそうですけども)になりそうです。

自由の対価、ではあるんですけど、月額は1000円を切って欲しいなぁみたいな……(わがまま)。

軽量なソフトとしてはめいどるふぃんAkkomaFirefish(旧Calckey)あたりが候補ですが、機能的な面であったり(自分の知識のなさによる)構築難易度などにより、決めあぐねている状況です。 どうしましょう……。

しんどいこと 3.時間泥棒、あるいは時間食い虫

不安感に原因もありそうですが、自鯖の状態が気になったりして、結構張り付いてしまっているときがあります。 それに伴い、やりたかったこと・やらねばらならないことを押しのけることもあったり……。

だけでなく、アップデートに類する作業を実行する場合には普通に相応の時間がかかったりもします。 なんかこうあれこれやっている時は、恐くもあり楽しくもあるんですが……少し時間消費が重く感じることも往々にしてあります。

不安はあるが、できれば続けたい

……という感じで、楽しく・心地よくFediverseに参加している状況ではありますが、単に利用者として参加していたときに比べると、別種の……新たな不安要素が増えたのは事実です。

やはり保守管理面の難易度が、構築に比べると相当に高く感じられる点が大きいです。 そこが出費面で「まぁ、これくらいならいいか……」とはなりにくく感じている部分もある気がしています。

しかしまぁ、その一方で得られる自由や気楽さなどは魅力的ですし、少しずつわかることが増えるのは楽しい部分もあって、諦めてしまうのも惜しい……という状況です。

先ごろXserver VPSにてMisskeyのアプリイメージの提供が開始されました。 諸々の設定は必要になりますが、インストール自体は簡単にやってくれる(WordPressの簡単インストールみたいなものでしょうね)ので、シェルスクリプトを使ったインストールよりもまた少し楽に構築できる方法ができたんじゃないかな……と思っています。

そこで期待してしまうのが、Misskeyなどを取り扱うホスティングサービスの登場です。 内部的な保守管理はおまかせして、運営部分だけ自由にさせてもらう……というようなサービスです。

現状、Mastodonに関してはHostdonが存在していますが、それ以外となると安定的にサービスが提供されているものがおそらく現時点(記事公開時点)で存在していないんですよね。

これが直近のFediverseというかMisskeyのニーズの高まりを受けて……かはわからないものの、Xserverがアプリのプリインストールの選択肢に加えたことは、ひとつホスティングサービス出現への流れにつながるのではないか?と思ってしまうのです。

おそらく、VPSを利用するよりもホスティングサービスのほうが制約は多いでしょう(少なくとも、サーバー内部の設定などに触ることはできないはず)から、万民に対する最適解というわけではないでしょう。

しかしながら、私のように「サーバーを管理したいのではなく、気楽に発言できてカスタム絵文字も自由に追加して遊べる、Fediverse上の本拠地がほしいだけ」であれば、限りなく最適解に近い選択肢ではあると思います。 今のVPSを使っての自鯖運用は……求めるものに対してやや過剰な自由と、負担があるように感じます。

なので、私個人に関しては、もしいい感じのMisskey系ホスティングサービスが登場したら、そちらにお世話になりそうな気はしていますね……。 その場合でも、得た知識や経験はどこかしらで役立ちそうな気もしますし、全くの無駄ではないでしょう(別の用途でVPSを使うということはありえるので)。

というわけで、どこかの企業がホスティングサービスを展開してくれることを熱望しています!

おすすめできる人・できない人

以上から、(書くのは今更ですが)自鯖を建てるのにおすすめできる人とおすすめできない人が分かれてきます。 Fediverseに参加する方法はいくつかあり、自鯖は唯一絶対の最適解ではないということです。

以下の要素を満たしている点が多いほど、おすすめできそうです。

  • ある程度Linux系OSの知識があるか、サーバーの知識がある
  • 知識がなくても根気強く学習や試行錯誤をしたり、あるいは質問・救援を求められる環境がある
  • レンタルサーバーを触った経験がある(流用や類推できる知識がちらほらあり、理解の助けになる)
  • 学習や保守管理に時間(とお金)をそこそこ割ける
  • 自分の拠点があり、その全てを把握・コントロールしていることに快感を強く覚える(そしてその維持に対して労力を惜しまない)

逆に、上記要素を満たさないほど、一般的な登録者として利用させてもらったり、(登場するかは不明なものの)ホスティングサービスのほうが向いている可能性があります。

もちろん、条件は絶対のものではないので、「やってみたらハマってしまって知識も技術もモリモリついて、完全に才能が開花したわコレ!!」みたいなのも大いにありえますし、ちょっと試すだけならそんなに出費も多くはならないため、実際にやってみて自分にできそうか探る……のも大いにアリだと思います。

多分、ごく短期間の体験でも(この分野に疎いほど)多くの学習体験が待っています。 そしてそれを通じることで、今までは見えなかったことが見える・想像できるようになったりもするでしょう。

よって、あくまでも「おすすめできる・できない」だけのお話です。 好奇心や意欲、熱意に任せてやってみるのもいいものだと思いますよ。